リスク管理の取組み

当会では、より健全性の高い経営を確保し皆さまからのご信頼を得るために、直面するさまざまなリスクに適切に対応できるよう「リスク管理基本方針」を策定しています。この基本方針にもとづき、収益とリスクの適切な管理などを通じて、リスク管理態勢の充実・強化に努めています。
また、情報の管理については「情報資産管理方針（セキュリティポリシー）」において、紛失、改ざん、漏洩等を防止するための基本的な考え方を明らかにするとともに、これにもとづき具体的な安全対策と管理体制を定め、このルールの下で厳格に管理を行っています。

リスク管理体制

リスク管理事項の協議・決定を行う会議体として、経営管理委員会・理事会はもとより、リスク管理委員会、ALM委員会を設置するとともに、その決定事項にもとづき各部門が業務執行にあたっています。
また、融資取引および市場関連取引に関しては、牽制機能を確保するため、取引執行を行うフロントオフィスと事務処理を行うバックオフィスを分離するとともに、リスク管理統括部門がミドルオフィスとして信用・市場リスク関係の業務執行等をモニタリングしています。
さらに、内部監査部門を被監査部門から独立して設置し、経営全般にわたる管理および各部門の業務の遂行状況を内部管理態勢の適切性と有効性の観点から検証・評価し、その結果にもとづく制度および業務の改善・合理化への助言・提言等を行い、業務運営の適切性の維持・改善に努めています。

リスク管理方法

当会では、業務執行上で発生するリスクについて、その特性に応じた管理方法を定めています。

主要リスクの管理方法

《収益発生を意図し能動的に取得するリスク》

主要リスク	リスク内容	管理方法
市場リスク	金利・株価・為替等の変動により保有資産・負債の価格が変動し損失を被るリスク	金利感応度分析等のALM手法にもとづき、資産・負債両面での総合管理を行う。有価証券運用では、運用目的とそれに応じた運用限度額を定めるとともに、ロスカットルールを設定し遵守する。
信用リスク	信用供与先の財務状況悪化などにより、元金や利息の回収が困難となるリスク	与信先の経営状況や証券の外部格付けを注視する。内部格付制度にもとづく与信限度額や貸出基準金利を設定し適正なポートフォリオ管理を行う。業種、与信額、金利条件等の偏在によるリスク集中の有無を管理し分散を図る。
流動性リスク	資金調達が困難となり取引の決済に支障をきたしたり、市場混乱などにより正常な有価証券取引ができなくなる等により損失を被るリスク	会員JAなどの資金動向を的確に把握するとともに、資金不足時の事前対応策を設定する。有価証券の換金にあたっては、時価や売買レートが極端に不利な状況となっていないか市場動向のモニタリングを行う。

《業務執行に伴い受動的に発生するリスク(オペレーショナルリスク)》

主要リスク	リスク内容	管理方法
事務リスク	当会の役職員が誠実な事務を怠る、あるいは事故・不正を起こすことにより損失を被るリスク	定期的な自己点検の実施はもとより、システム手当・要領・マニュアル等の整備に努めるとともに、研修充実により処理方法・手順の徹底を図る。事務ミスが発生した場合は、発生原因を究明し改善を図る。
システムリスク	コンピュータシステムのダウンまたは誤作動等、システムの不備・不正使用等により損失を被るリスク	セキュリティポリシー等に従い、コンピュータシステムの安全対策を講じる。システム障害に備えた対応計画を策定し、業務の継続と迅速な復旧が可能となるよう対応する。
情報漏洩リスク	セキュリティポリシーが遵守されずに情報が漏洩することに伴うリスク	役職員に対するコンプライアンスや情報セキュリティ教育を実施するとともに、風評等の発生も予想しながら早急に対策を講じる。情報漏洩等が発生した場合および漏洩の懸念がある場合、迅速かつ適切に対応する。
風評リスク（レピュテーションリスク）	世評・評判等から組織の信頼性が損なわれ、損失を被るまたは得られる利益を失うリスク	当会に関する風説・風評の早期発見に努めるとともに、緊急度・影響度等の視点にもとづく適切な対応を行う。メディアへの的確な情報開示や関係団体との連絡を密に行い、事態の早期収拾を図る。